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2015年3月

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そんなわけで、確定申告が終わり、来年の申告に向けてさっそく新年度の記帳業務を開始していたり。
例年、申告が終わると「くそう、来年こそは計画的に」と思うんですよね。で、年末になって「やべー、やると誓ったのに」とか思って焦りはじめ、翌年の2月に入って「前年1~2月だけ入力されて後は真っ白な帳簿」を前に途方に暮れる。そこまでがワンセット。

でも、今年はほんと疲れたので、来年こそはなんとか「8月31日に真っ白なノートを眼前にしてすでに諦めモード」という子どもの頃からの悪癖をなんとかしたい。するぞ!と誓ってみたりして。

というかですね、確定申告時期にまとめて帳簿つけちゃうと、いきなり税額がぽーんと突きつけられるので、ショックでかいんですよ。
昨年は法人化前提でしばらく動いてみて、自分の場合は(デメリットがでかすぎて)あんまりメリットないなあと何か色々諦めモードになっちゃったので、今年は別方向から節税手段を検討しつつなんとか1年間うまく切り抜けたい。そのためには小まめな帳簿と内情把握から!

せめて4日は続くといいな。

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昨年購入したiPad Air 2用のペンとして、続々と出はじめたBluetoothものをそのうち買おうと思っていたんですが、どうにも出てくる品出てくる品微妙な評価っぽくて今いち手が出せず。だったらとりあえずこれでいいやーと、タッチペン式の中でも比較的定評のあるAdonitの円盤付きペン、その最新型である Jot Pro 2.0 を購入してみました。

もう「できてメモ書き」と割り切ってるので筆圧などはいらない。その代わりに、ペン先が見やすくて、かつ違和感なく書けるといいなーと思っての購入です。
その点、このAdonitのものは、「iPad側に指と誤認識させるために必要な面積を透明の円盤でフォロー」「ペン先自体は細いので、描画位置が隠れない」という製品なので、描画位置さえズレがなければいけるはず。ただ、先っぽに円盤がついてるペンなんて使ったことがありません。そのへんからくる違和感と、あと画面に対する攻撃性(ホコリを巻き込んで傷つけるとか)がどうかなーというあたりが心配点でした。

ブツが届いて試してみたところ、危惧したほど円盤による違和感はない感じ。一筆目は円盤の向きがずれてると画面に当たってよくないのですが、1回画面に押しつけて円盤の向きをほぼ平行にした状態であれば、書いていてカツカツ当たるような違和感は出ませんでした。むしろ、スムーズにすいすい~と円盤がすべるので、なんか気持ちいいというか、エアホッケーのパックをずりずり動かしてるような楽しさがあります。

ただ、書いてて描画される線には違和感が。なんか線が円盤の真ん中から出てこない。

こんな感じで、円盤中央にあるペン先の上端部分から線が引かれる感じです。微妙なズレなんですけど、仕組み上ホバーカーソルとかが出てるわけじゃないので、なかなかうまく描画位置が掴めません。

上の画面はPenultimateというお絵かきアプリで描いてみたところです。他にもBamboo Paperをはじめ、いくつか描画系アプリを試してみましたがどれも同じ。すべて安定して、ペン先の上端部分から線が出てきます。

これじゃアカン...と途方に暮れかけてたら、1個だけバッチリとペン先中央から線が引かれるアプリがありました。

それがPaper by FiftyThreeというアプリ。これだと、このようにペン先中央から線が出てきます。おお!これこれ!これならいける!

なんか楽しくなっちゃってスケッチしてみたり。スケッチっつったらあれね、やっぱ愛車ですわね。描き描き。

うーん、どうしても指先を模してる関係上、細かい線は拾い上げてくれなかったり、パームリジェクションがないので手のひらに反応しちゃったり。とはいえペンのポインティング精度には、このアプリを使う限り不満は出ませんでした。

スケッチと割り切って使う分には楽しい!楽しいよこれ!

ただ、ここで問題がひとつ。
Paper by FiftyThreeだとスケッチは確かにできるんですけど、自分は別にスケッチがしたくてこのペンを買ったわけじゃないんですよね。

OneNoteでメモを取ったり、PDFに注釈入れたりできるといいなーと思って買ったのです。

ただ、そっちでは描画位置が中心に来てくれない。

どうも「描画位置が微妙に中心からズレる」というのはiPad側がもともと持っている仕様らしいです。そうすることで、太い指でもポイント動作をスムーズにしているのだとか。で、Paper by FiftyThreeは、そのズレをアプリの方で修正してこの書き味を持たせてくれているようなのです。

このズレ補正を他のアプリも搭載してくれるといいんですけど、望み薄そうだなあ。
ペン先の描画される位置は安定していてぶれがないので、「ペン先上端から書かれる」と慣れてしまえばいい話なんですが...慣れるかなあこれ。

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確定申告で帳簿に終われまくってた時はずっとPCの前に座ってて、朝から晩まで妙に一日が長いなーと思ってたんですよね。

ええ。

わかってはいるんですよ。わかってたんです。でも、でもね!

ほんまコタツはん、魔性すぎる御方やで。

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ことの起こりはこちらの「クラブニンテンドーがもうじき終了するよー」というお知らせ。任天堂ゲーム機にはポイントサービスがあって、ゲームソフトを買うとポイント登録券が中に入っていて、それを貯めていくことで何かノベルティグッズがもらえるよってサービスをやっていたのです。それが終了すると。

そこそこ貯めてあったので残高を確認してみると、あとゲームソフト1本分で「ニンテンドープリペイドカード 4,000円分」に交換できるとある。ニンテンドープリカは子どもたちがWiiUでカラオケやるときに使えるので、これはできれば換えておきたいところ。4,000円分はでかい。

じゃあ、なんか値下がりしてるやっすいゲームソフトを1本買って、そのポイント登録すればいいんじゃーんオレかっしこーい!

そう思ってAmazonを漁ったら出てきたのがモンスターハンター3G の 3DS版。かなりお安くてお値段なんと780円。
ついでにWiiU用も表示されてたので見てみたら、さらに安くてお値段680円。
両方買えば、WiiUと3DSでいっしょに冒険できるみたい。やったことないけどおもしろいとは聞いてたし、最近息子はゲーム屋さん行くとやたらとこれの4を試遊台で気に入って遊んでるし、なんかカミさんも前にCMを見て気になってたような。

いやこれは買うでしょう。

ってことで買いました。んでポイントを登録しました。2年以上昔のゲームはポイントの登録期限が切れてるらしくてどっちもポイントは登録できませんでした。がっでむ。

そんな泣き濡れるこちらを尻目に、息子さんは「モンハンだ!」と大騒ぎ。こっちが引くくらいにめっちゃ浮かれてうるさいくらい。
じゃあとりあえずやってみますか...とやってみたら、いやおもしろのねこれ。昔ほんのちょこっとやったことのエバークエストあたりのネットRPG的な雰囲気を持たせつつ、うまい具合にライトな仕上がりになっててこりゃ楽しい。レベルアップとかはないみたいだけど、おかげで無駄な経験値稼ぎに追われるようなこともなく、サクサク遊べて楽しいです。

で、息子と2人で操作方法もままならないままあちこち探検してたら、竜のたまご運ぶイベントがあって、これかーとかいって手を出してみたら案の定ばかでっかい竜が降ってきて大騒ぎ。
「うひゃーでけー!こりゃ無理だ!」とか言って逃げてたら、息子の方はマジで怖かったらしくて「助けてよ!」とか半分泣き叫びモード入ってたり。コタツを囲みながら、そうやってマジ泣きマジ怒りしながらあっちだこっちだとうろつけるのがほんと楽しいです。

どんだけ楽しいかというと、普段これ系のゲームには食いついてこない娘までが「自分もやりたい」と参入してくるぐらい楽しい。カミさんもつられたのかやりたそうにしていたので、勢いあまってさらに3DS版を2本追加注文してみたりして。これならWiiU含めて4人で冒険できちゃうぜ!すげえ!

そして子どもには「モンハンモンハン言ってないで早く寝ろ!明日は学校やろ!」と言って子ども部屋へと送り出し、やつらが寝たのを見計らってはちまちまと3DSを開いてクエストを進めてたりする私。だっておもしろいんだもん。

あ、当初の目的であった「4,000円券ゲット作戦」については、家の中にある子どものゲームを片っ端から開けていったら、1枚だけポイント登録券が見つかり、無事目的を果たすことができました。

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一眼レフカメラを持ち歩く時に便利なストラップとして「Ninjaストラップ」なるものがあります。これ、カメラをたすき掛けするストラップなんですけど、秀逸なのがワンタッチで伸び縮みさせられるところ。普段はストラップを締めてカメラを背中に固定しておき、使う際にはストラップをシュルッと緩めてカメラを構えることができる、そんな使い方ができる品です。

これに加えて、C-Loopというカメラの三脚穴にストラップを取付できるようにする品がいわば定番の便利品なのですが、どちらもそこそこお値段がするものであわせて買うとちょっと高い。もうちょっとお安くなんないかしら。
そんな声にお応えしたのかどうか、我らがエレコムさんから、この模倣品が1,000円ちょっとで出てたりします。1,000円ちょっと、安い!

そんなわけで自分はこっちのエレコム製Ninjaストラップみたいなストラップを買って、PENTAXのK-5につけて使ってました。確かに便利。

ところが今日、久しぶりにそのAmazon販売ページを見たら、ユーザレビューが「落ちます!」で埋め尽くされてる。当然評価は激悪。どうもストラップの留め具部分がほどけて、カメラがするりんと落ちちゃうらしい。
なるほどなるほど、なるほどなー。

ええ、自分も落ちました。するりんとほどけて落っこちた。てっきり自分の取り付け方が悪かったのかと思ってたんだけど、誰でも落ちるものだったのね。
結局レンズ込みで修理費32,616円也...しくしく。
安物買いの銭失いを地で行ってしまった格好です。

もう捨てちゃおっかなーとも思ったんですけど、要はほどけなきゃ良いわけだしってことで、ホッチキスで留めちゃいました。これならまあ大丈夫だろ。

もし同じ製品を使ってる方がいたら、ちょっと気をつけておいた方が良いですよ。

C-Loopの方は特にコピー製品へと走らなかったおかげか、使用中に緩むようなこともなく快適に使えています。

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最近はすっかりTwitterに連投したら「いやー書いたわー」って満足しちゃって、なかなかブログにまとめるまで至らないことが増えています。これもそのひとつ。先日我慢しきれずに新発売のVAIO Zをポチってしまったのであります。最上位のCPUとオプションつけたら30万超えちゃったので身もだえしてなかなか注文ボタンが押せませんでしたけど、最後はその魅力にあらがえずポチッと。

受注生産なので納品は今月18日。待ちきれなくてうずうずしてます。

そもそも最初はWACOMから発表されたCintiq Companion 2(以下、CC2)を買う気マンマンでした。ただ、あちらは最上位のEnhancedってグレードが5月にならないと出てこないので、それまでは指をくわえて静観かなーと。解像度がアップしてるし、単体駆動のお仕事マシンとしても、デスクトップPCにつないで純粋な液晶タブレット(以下、液タブ)としても使えるとあって、そりゃもう大興奮して興奮のあまりにWACOMの株をえいやと買い込んじゃったくらいに買う気マンマンでした。

ところが意外なことに、てっきりタブレットマシンオンリーで来ると思ってたVAIO社からの新製品が2 in 1 パソコンのVAIO Z。
なんか発表内容を見てるとどうも出来の良いマシンな気がする。

こりゃさわってみなくちゃってことで秋葉のヨドバシまでひとっ走りしたのが先月末のことでした。

まず最初にさわったのがCC2。事前のうわさ通り、目にやさしくないがっかりなギラギラ仕様のフィルムに少々げんなりはしながらも、ペンを使ってみればやはりそこは安定のWACOM Cintiq品質で、「あー、これなら今と変わらない仕事環境を、必要に応じてどこでも構築できちゃうな」と思うに十分の製品でした。
ファンクションボタンのタッチも改善を試みてるようで、従来の固いタッチとちがい軽くカチカチと連打できる感触に変化してます。個人的にはここが軽く押せちゃうとベゼルをぐっと握って描く時に誤操作しそうなので、あまり好ましいとは思えなかったですが、品質としては多分今回のこのボタンの方が「上質」と受け止められる作りだろうとは思います。ボタン数も増えてますしね。

ただ意外なことに、それ以外の点では特に手持ち環境であるCintiq 13HDからの進化はあまり感じることができませんでした。

まず重い。そして分厚い。特に厚みは自分の場合影響が大きくて、以前マイナビさんでやらせていただいた短期連載の中でも前世代のCintiq Companionについてこんな感じの比較記事を書いたことがあったんですけど、CC2の厚みだとスタンド必須になっちゃうんですね。そうすると当然分厚さはさらに増し増し。

液タブとしてデスクトップPCとつないで使う時のコードはどうも従来通りの(評判の悪い)コネクタ形状と位置のままで、CC2はそれに加えて電源ケーブルが別位置からもう1本伸びてる。13HDだと1本で(電源コードもここに内包されていて)済むのに...。

さらにペン先と実際のカーソルとの間の空間が、明らかに13HDよりも分厚くなってる。多分タッチパネル操作分の膜が足されて厚くなってるものと思われます。

上記はいずれも前機種のCintiq Companionでも(表面フィルムのギラつき加減をのぞけば)ほぼ同様でしたし、それでいて中のスペックが格段に跳ね上がり、かつデスクトップPCとの接続モードまでついてるんだから進化はしてるんです。
ただ、デスクトップで使うこと限定で考えた時には、13HD比だったら「重くて分厚くて取り回しがしずらくなるだけ」のような気も...。

うーん、ペンで描いてて「安定のWACOM品質だ」と思えた中には、「いつも通りの液タブだ」という印象も含んでいました。普段使っている13HD比で描き心地に対して上記のもの以外で「おお」と思えた点がない。解像度アップしてるはずなんだけども、試用機の設定もあってか、その効力がぜんぜん伝わってこない。
いつも通りの環境を持ち歩けるけど、いつも通りというのは現状から特にあまり進歩がない印象なわけで、それでいて最も多いデスクトップ利用時にちょっと無視できない取り回しの悪化があるように思える。

でもまあ買っちゃうんだろうな、13HDと比べるから少しアラが目に付くけど、なんせ無二の存在な製品だし。このレベルで描ける環境がどこでも持ち出せるのはでかいようん。
そんなことを思いながら1階のノートPC売り場に移動。VAIO Zとご対面となりました。

んでさわったらですよ。
なにこれ!めっちゃいい品!

軽い、薄い。英語キーボードないのがなあって残念がってたキーボード部もタイプしてみたら剛性感ばっちりながら底突きのない絶妙なバランスでめっちゃうちやすい。タッチパッドは感動物の品質。基本タッチパッドって、Windows系は全部クソなんですよ。MacBookさわったら「え!?タッチパッドってこんな使いやすいデバイスだったの!?」って感動できるくらいにWindows系はクソ。そう思ってた自分の認識をくつがえすくらいに、はじめて操作感でMacBookと勝負できるWindows系のタッチパッドに出会いました。

そして肝心のペンの描き心地はというと...。
第一印象は「やっぱりCintiqには遠く及ばないなあ」で、最終的な印象は「どっちが上とかじゃなくて、別の画材だわこれ」でした。

試用したのはアンチグレアフィルムが貼られたタイプのもの。ペン先には2種類添付されてるペン先のうち、ソフトな側のものが付いているという説明です。まず画質は先のCC2のようにギラつくこともなく好印象。感触はというと、PPフィルム加工された本の表紙にプラスチックのペン先で描くような、ちょっとねっとりした感触。自分には好印象でした。フェルトペンの軋む感触が好きではないので、そういう感触抜きでペン先が適度に滑りすぎない仕上げは自分にとってありがたいのです。

で、売り文句通り、ペン先と描画位置にずれがない。ずれがないというのは、カーソル位置の追随性がいいとかじゃなくて、画面とペン先の間に一枚はさまってる感じがほぼないに等しいので、横の説明員の人に時折目をやりながら描き続けても違和感なく線が描けてるという「実際の紙とペン」的な意味合いでずれがない印象でした。

最初はWACOM製品の時についたクセで、ペンよりもカーソルを見ながら描いてたんです。「ホバーカーソルがあてになんないなあ」とかネガな感想を持ちながら。途中からそのクセを捨てたらまあ快適なこと。説明を聞きながらけっこう長い時間ペンを動かしてたと思うんですけど、没入感がすごくてアラが目に付くどころかどんどん「欲しい」熱が高まっちゃいました。

そうして最後に思ったのが、上に書いた「別の画材だ」ってこと。
筆圧感度ははっきり荒かったです。多分調整したとしてもたかが知れてると思う。繊細な表現力でいったら、Cintiqには遠く及ばないだろうなあ...とも。

極端に言ってみれば、PC上で水彩画や油絵、Gペンでの表現力を突き詰めることを目指しているのがCintiqとしたら、VAIO Zはミリペンかなーという感じ。だけど自分が好きな画材は(普段あげてある単純な絵を見てもわかるとおり)ミリペンなんですよね。

テキストも書き、ミリペン描画的な画風を好み、んでもってそれらを組み合わせたスタイルの本を書き、事務作業もやる。うわなんだよこれ思いっきりオレのためにあるようなマシンじゃん!

もうベタ惚れですよ。マジ惚れ。勢いでこんだけ無駄に長い文章書いてアップしちゃうくらいに惚れまくり。

ここまで読んでる人はあんましいないと思いますが、読んだらわかる通りに期待値が製品到着前にして上がりまくり状態なので、18日にいざ届いてみたら「あれ?なんかあの時の人(PC)と違う!?」なんて結末になる可能性も無きにしも非ず。
もし18日以降にブログで手のひら返ししてたとしたら、「ああ、記憶の美化が実物を追い越してしまってたのね」と生暖かく笑ってやってください。

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『おもいでばこ』というのは何かというと、以前書いた記事がありますのでそちらを。
『おもいでばこ』は、おもしろいデータベースサーバだった件
『おもいでばこ』のイケてるとりこみ機能

端的に言えば「マルチデバイスに対応したフォトストレージ」という品物で、デジタル一眼はもちろん、スマホからコンパクトデジカメから果てはゲーム機まで、ありとあらゆるデバイスで撮った写真を、とにかくため込んで管理することができる製品です。
詳しくは先に挙げた記事を見ていただくとして、これが意外と世の中に「ない」製品なのですよ。

この製品の特異な点は、「儲かる(売れる)から作る」ではなく、「絶対にこの立ち位置の製品は必要だからなんとか存続させたい」と作っているように見受けられる点。試しに「おもいでばこ」で検索すると様々な個人レビューが出てくると思いますが、多くがこの製品を応援するスタンスで書かれています。自分もそうなんですけど、「応援しないとなくなっちゃう」→「これがなくなるとこの立ち位置の製品がない」→「こんなに便利なのになくなられると困る」という気持ちが、そのような取り上げ方になっているのだと思います。

で、先週金曜日にこの『おもいでばこ』の新製品発表会が都内某所でありました。前機種でつながったご縁で自分も招待してもらえたので、ノコノコと秋葉原までお出かけしてきました。

この『おもいでばこ』は出して終わりの製品じゃなくて、出した後にも動画対応や処理速度の高速化など、ソフトの改良でやれるところはがんばって、それをどんどんユーザーに還元していってくれています。そのおかげで、写真をためる・見るという意味では前の機種でもほぼ網羅できているといって過言ではなく、導入当初から比べると随分便利に成長していきました。

ただ、ハード的な上限は定まっているので、処理速度はどうしても頭打ちになるところが出てきます。動画対応も、サポートできるフォーマットに自ずと制限が残る。
やるとしたらこのへんかなあ、古くなったハードウェアは少し世代を新しくして、少し小さくなって、少し速度が速くなって、動画フォーマットへの対応も少し増えて、でもそれだと目玉がないよなあ...クラウド対応とか来てくれたらうれしいけど、前に開発者さんと話した印象だとセキュリティ面で不安を抱くお客さんへの配慮は外せないから難しいだろうし、でもそれがないとしたら応援したくとも言及が難しいよなあ...。

そんなことを思いながら会場について、登場したのがこちら。
『おもいでばこ』(メーカー製品ページに飛びます)

めっちゃ小さくなってる!体積比ほぼ半分!
...い、いやいや、まあ見た目がよくなったからといって、ねえ。

んでもってこんなデモがペタリ。
め、めっちゃ早くなってる!!なにこれ、めっちゃ速い!!!

これはあかんデモでした。ここまで高速化されちゃったら別物すぎる。最近買い物づいて散財しまくってるおかげで「いい加減控えなきゃ」と思ってる身には酷すぎるデモです。もう「ええいデモはいいデモは!それで値段はいくらだ!」とか興奮して見入っちゃってたら、なんと発表会終了後のおみやげがこの新製品本体とか。しかもバックアップHDDまでオマケにつく太っ腹ぶり。

なんですかこれ、靴を舐めたらいいですか、ブログで褒め称えまくったらいいですか、バッファローって3回吠えた後10回まわってワンと言えばいいですか。
もうこの時点でバッファローさんの犬決定ですよ。褒めますよ。褒めまくりですよ。

そんなわけで金曜日夜に我が家へ新しいおもいでばこさんがいらっしゃいましてですね。
まず古い機種のバックアップポートにHDDをつないで「バックアップ」を実行。

そーすると、カリコリカリコリとおもいでばこに詰まったデータを書き写してくれます。

たださすがにUSB2.0ポート経由でウン百GBのデータを転送するわけなので、普段バックアップを取ってない私のようなユーザーさんだと、それなりに時間がかかります。

バックアップが終わったら、新しいおもいでばこに先ほどのHDDをつないで「復元」を実行。

これでまたカリコリとデータの移動がはじまって、新しいおもいでばこくんが、従来のおもいで満載オレ仕様なおもいでばことして生まれ変わります。

じゃあさっそく使ってみて爆速Newバージョンおもいでばこくんのインプレッションを...と言いたいとこながらそれはおあずけ。もちろんちょこちょこ試してたら、そのままつい我が子の可愛さに見とれはじめて気がつきゃ深夜に小一時間見はまったりとかしてたわけですけども、おもいでばこくんの爆速加減は、内部にためこんだデータを人知れず裏で最適化作業を進めてその後に本領発揮だったりするのです。
なので全データをコピーし終わったばかりの状態だと、本当のところがわからないのでおあずけ。

データ移行用にHDDをバックアップポートにつないでたもので、電源オフにすると自動でバックアップがはじまりました。

これの後で最適化作業も実施されて、いろいろこなれてくれるはず。

しかし本当に小さくなったなあ。

前の機種も特にでかいとは思ってなかったんですが、こうして新機種と比較しちゃうとデザインが無駄にでかく野暮ったく見えてくるんだから人間わがままなもんです。実際持ってみても、中身の詰まってるずっしり感は圧倒的に新型なんですよね。

そんなわけで『おもいでばこ』の新製品。その処理速度と設置スペースの両面から、単なる小改良ではなくて、「フォトストレージとしての完成形」にまで仕上げてきた印象を受けました。だってこの小ささで、従来比でストレージの容量倍増、かつ外付けだった無線LAN機能内蔵かつ無線LANアクセスポイント機能まで詰め込んできてるんですよ。
まだ細かい部分を試せてないので、動画対応がどこまで進んだかなど確認したい事項はありますけども、いずれにせよ発売後もソフトで改善拡張できるところはどんどん進めていってくれるおもいでばこ。あまりその辺は不安視してません。

そういう意味では、次の5年を闘えるプラットフォームとして仕上げてきたのかなあとも思えてきたり。
個人的には、「ためる・見る」部分はおそらくこれで完成形だろうと思うので、「見せる」という部分について、これから拡張がなされていくといいなあ...などと妄想が膨らむ一方です。それらについては実機の使用感含めて明日あたりに書ければなと。

最後に、ひいきの引き倒しになってしまっても困るので、ちょっと気になった点なんかも、正直に(犬の立場をわきまえずに)書いてみる。

ここは前のままで良かったのになあ...と思ったのが取込ボタン。

前機種でははっきりと盛り上がったボタンだったんですけど、フラット化されて存在感が消えてました。おそらくはデザイン上の理由だと想像しますが、一番メインの、本製品の機能を象徴するボタンでもあると思うので、ここは逆にでかくなってても良かったのにと思ったり。従来のボタンにあった「見やすくて押しやすい」使い心地が気に入ってただけにちょびっとだけ残念な点でした。

あと、これは個体差かなーとも思うんですけど、リモコンの十字ボタンが妙に固くなってた。

従来のものが「コクコク」と押せる感じだとすると、新しい方は「ゴギンゴギン」という感じ。ゴリゴリひっかかってる感もあるので、とりあえず力任せにグリグリ押し込んでみて、馴染んでくれないかなーと様子を見てます。
リモコンはまったく同じなので、ここだけ変更するわけないし...と思ってたら微妙に十字ボタンだけ色がちがう。もし個体差じゃないとしたら、材質の変更でもあったのかなあ。

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1日置いたことで最適化も終わり、ようやく新おもいでばこの本領を発揮していただく瞬間がやってまいりました。
などと1人で解説しながらiPhoneをおもいでばこに登録し直し、おもむろに専用アプリからアルバムを開いてみたり。

サムネイルがずらずらーっと出てきますやね。
すいっと指を滑らせますやね。
後続のサムネイルがずらずらーっと出てきますやね。
またまたすいっと...。

速えな!

デモで見てわかっていたとはいえ、この時点でもう実感しちゃいました。速い。
「見る」という行為において、速さってのはやはり正義なんだなあと。さすがにiPhoneに保存されている写真一覧を見るのと同じとはいきませんが、実使用感においてはここまで速くなってくれるとまず遜色ないとすら言えます。

あのですね、3Dのレースゲームやる人だとわかると思うんですけど、とおくのほーうにあるオブジェクトって、昔は描画されてなかったじゃないですか。んで、近くにくるとポコリポコリとビルが湧き出てくるのね。今どきのものだとずっと描画されてるレベルで存在し続けていますけど、それがiPhoneローカルに保存されている写真一覧を見る場合だとすると、新おもいでばこくんのはちょっと古めのレースゲームの感じ。
見比べれば確かに見劣りはあるんですけど、実際はスクロールさせて視線を移す頃には(レスポンスを待つタイミングで)「はい」って感じで表示されてくるので、待たされてる感がないのです。

おもいでばこ本体で見た場合は、この後の個々の写真を見るところまでストレスフリーで素早く表示されるようになっていますが、iPhoneやタブレットで表示させる場合は一瞬粗めの画像が出て、一呼吸置くくらいの感じで表示されます。WiFi越しに見てますから、ここはまあそうなりますね。

自分の場合、写真を見る際にストレスを感じるとしたら、その一番は「目的の写真を見つけ出すのに時間がかかる」ケースなので、サムネイルでざざーっと全体をなめて見る箇所がこれだけ高速化されてると、気楽に「あの時はどうだっけ」「この日はどんなの撮ったかな-」とぽんぽん画面を切り替えることができて楽しいです。

ちなみにこのおもいでばこ。今までビューア機能についてはふれてきてなかったんですけど、スマホやタブレットでリモート視聴、スライドショー、お気に入りの登録やアルバムの作成と、そんな感じに基本的な機能は一通り抑えられています。そしてその上に「おもいでばこの本分は家庭用の簡易データベースだ」という工夫が盛り込まれている印象。

たとえばですね、自分のお気に入りとして「記念日が登録できる」というものがあります。
これはなにかというと、その記念日に該当する写真を抽出してアルバム化してくれるものだったりします。

これでですね、子どもの誕生日を登録するわけですよ。そうするとご丁寧に「何年から?」と聞いてくるので、誕生年を入力します。そうするともうおわかりかと思いますが、子ども誕生の瞬間から今に至るまでの、その成長が一気にスライドショーで見れちゃったりするわけです。
「あー、この年まではキャラクターもの優先でくそまっずいケーキだったよなあ」なんてことも見えちゃいますよ。
なんかねーもうねーニヤけちゃうんですよこれがまた。誕生日はたいてい子どもも満面の笑みになってたりするので、ほんとニヤけちゃうんですよこれ。

ちなみに記念日というと結婚記念日とかも当然頭に浮かぶわけですが、これはえっといろいろと透けて見えちゃうような気がして登録は避けてます...げほんごほん。

こうなるとついこっちもですね、せっかくのデータベースなんだから、もうこれはSQL直叩きさせて欲しいな-、PCアプリから限定でいいから、SQL直で叩いて必要な期間の写真を取り出したりできて欲しいなーとか、ついついそんな贅沢な要望も出てきたり。
あとあれですね、リモコンのテンキー部分にタグを登録できるようにして、写真見てる時にポンポンとテンキーひと押しでタグ付けできると、よりこういった抽出機能が活用できるようになって楽しいかも知れません(もしすでに対応してたらごめんなさい)。

一方で、動画対応についてはちょっと弱さが残る印象。そもそもが写真管理名目なんだから「動画も」というのはわがまま言うなって話なのですが、今のようにスマホで写真も動画も手軽に撮れちゃう時代では、その境目もあいまいになっているので無視するわけにはいきません。
それに何よりですね、スマホでつい撮っちゃった細切れ動画って、日常のなんでもない可笑しさを切り出してるので、後で見返すと楽しかったりするんです。でも、あまりに細切れなので管理が煩雑になりがちなんですね。それがおもいでばこに突っ込んでおくと、アルバムの一要素として普通に同居していてくれるので、「あ、こんなのあったんだ。どれどれ...バカだねえ~(笑)」と発見があってこれもめちゃ楽しい。

ちょっと試した感じでは、iPhoneで撮った動画は(縦位置で撮っちゃうと横向きになって再生されちゃうけど)本体で再生するのも、iPhoneでリモート再生するのもOK。SONYのデジカメで撮った動画は、フルHD 60pだと本体での再生はOK、フルHD 60iだと本体でもインターレス処理がうまくいかないようでカクカクに。そしてこれらの動画は、iPhoneでおもいでばこを覗いても、リモート再生は不可でした。

なんも気にせず突っ込んでおけるというのが自分の思うおもいでばこ一番の利点だと思うので、理想を言えばリアルタイムエンコードで再生・配信して欲しいところ。でもそれは多分無理だろうから、電源オフの最適化時に裏で「おもいでばこ配信用フォーマット」へとエンコードして保持しといてくれるとうれしいです。当然その分容量は嵩むことになるので、オプション設定でユーザが明示的に選択するような措置はいると思いますが。

とはいえ、鋭意改善の努力を惜しまないおもいでばこ開発チームさんなので、少なくとも先の動画フォーマットの件については、いずれ遠くないうちに解消されてくるんだろうなと期待してます。少なくとも本体内再生については。
iPhoneでどこまで対応できるかについては、これはiPhoneの仕様とも関係してくるので不透明ですけどね。

ちなみに個人的には私、この「写真管理デバイスだからと動画を切り捨ててかからない」姿勢はほんとうれしく思っています。写真がおもいでなのはもちろんですけど、子どもたちがちっちゃな頃の、なんとはなしに撮った動画から聞こえてくる笑い声とか泣き声まで、ほんと宝物なんですよ。
「泣くとぶっさいくだな~」とか言いながらミルクあげてた当時の泣き声。なんでもない当時の笑い声。今じゃ本人たちも出せやしないそんな声がほんと宝物。
なんとはなしに撮ってるからこそ、すっごい当時の日常が入っていて、でもその価値に自分自身も気づいてないからどっかに埋もれて消えちゃってた動画たちが、おもいでばこのおかげで発掘し直せた今、ああ現代の「アルバム」ってのはフォーマットもこうやってマルチなんだなあと思いを新たにするのでありました。

......ん?

ああ!今日の日記で「で、それはいいんですけど、ちょっとこんな要望もあるんですよ」的なことまで書こうと思ってたのに、まためっちゃ長くなってる!
そんなわけで、また明日にでも「ここまで犬として褒めちぎりましたけども、僕ぁもっとこんな機能も欲しいんだ」編に続きたいと思います。

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そんなわけで、連日書き続けている『おもいでばこ』。これについて自分が特に要望したいのが「見せる」という機能の充実です。正直今は「見る」ことができるデバイスであって、「見せる」ことはできないと言っていいに等しいと思う(本体を直接持ち歩いちゃうとか手はあるけど)。※

でも写真って、特にアルバムに編集するのって、「見せる」という前提は欠かせないと思うんですね。

この歳になると日頃の親不孝を恥じる部分もあるので、親に何か買って送ろうかなーという気持ちになることも増えてきます。たとえばiPad買って贈ろうかなとか、たとえばデジカメをプレゼントしようかなとか。おもいでばこの前機種を使って「便利だ!」と思った時にも、ちょっとプレゼントを考えました。
その時いつも考えるのは「贈って果たして親が自力で使えるか?」ってこと。

おもいでばこは、おそらく自力で使えます。
でも肝心な部分が欠けていて。
うちの親が本当に見たい写真ってのは、孫の写真なんですよね。このおもいでばこは、自分たちが撮りためた写真の管理について、「確かに便利だ」と受け止めてはもらえるでしょうけども、肝心の一番見たい写真たちは、そこに一切入ってきてくれないのです。結果、プレゼントはやめにしました。だって一番やりたい「孫の写真を手軽に送って見てもらうこと」ができないから。

おもいでばこに対して「ちょっと高い」という声が時たま見受けられる理由も、こうした「"自宅で"撮りためて"見る"」という限定された活用範囲に、ひとつ理由があるんじゃないかなーと思っています。誰かのため、何かのため、という理由付けがちょっと弱いので、自分で自分の背中を押しきれなくなっちゃう。

先日からクラウドクラウド言っていたのもここが理由で、「見せる」という機能の実現に一歩進んで欲しかった。あとバックアップを宅外に置いて「万が一の火事や地震でも、おもいでばこはあなたの思い出を守ります」とかうたって欲しかったなーというのもあったり。

その一方で、従来からのメインターゲットを想定すれば「よくわかんないけどネットに置かれるとか流出が怖い」と配慮が必要になるのもわかります。だからクラウド対応が見送られたと聞いても、あーそうかやっぱりなーと納得はしました。

それでも、「見せる」という部分はやっぱり拡充して欲しい。そこで、たとえばアクセスできるデバイスを限定することで、そのへんの懸念を払拭できないものかと。許可されたアルバムについてだけ、おもいでばこ間であれば互いに送り合うことができるような。
これであれば自分のやりたいことができるようになるので、親にプレゼントする動機付けが生まれます。うちの親は、写真を撮ることも好きな方ではあるし。

でも、まだちょっと弱い。写真を撮る趣味のないじいちゃんばあちゃん宅だった場合、「孫の写真を見るためだけに新しく機械を1個置く」というのはどうにも少しおおげさな感がある。

そこで、「孫接待用としてじいちゃんばあちゃん宅の普及率が意外と高いニンテンドーのWiiやWiiU」を活用するのはどうか。
Wiiウェアとしておもいでばこアプリを有料販売して、こっちは許可されたアルバムの参照オンリーにするの。これなら新しく機械は必要ないし、DPEサービスともWiiは連携してるから、気に入った写真を現像に出して飾るってこともできる。それでいて、パソコンみたいに好き勝手できないから安心。
20150318-s1.png
いいなー、いいと思うんだけどなーこういうのできるようになると。

...というわけで、犬としての立場を逸脱して、「こうなって欲しい!」という妄想を書き散らかしてみました。

クラウドに対する要望の声は確実に開発チームさんにも届いているようなので、いずれはアップデートで機能実装されるはず(と勝手に期待してる)。
極力世界を閉じているからこその完成度でもあると思うので、それを開くのはなかなか大変だろうと想像はしますが、なんとか「互いに写真を送り合って、キャッキャうふふできる世界」へと、広げていって欲しいものです。

※フォト蔵というサービスを使って写真を共有する術はありますが、親に使えというのは無理がありそうだったので除外してます。

20150319.png
昨日VAIO Zが届きまして、昨日今日と環境整備をしてました。

日本語キーボード慣れないな~とか、タッチパッド快適になってきたーとか、ニヤニヤ笑いながらさわってたんですが、環境入れ終わってさあ仕事してみるか...と思ったら、なにこれ使い物にならない。マジでびびってます。

店頭で試したクリップスタジオペイントについては、試した通り動きます。筆圧の微調整繰り返してデスクトップと同じ感じ出せるようになったら、こっちで十分いけるなーって感じ。
でも今日やんなきゃいけないのは、雑誌社からあがってきたゲラPDFに朱を入れることなので、まずAcrobat XIをたちあげておもむろにペンをすらすらーっと。

...描けない。あれ?
筆圧がどうとかじゃなくて、まったく描けない。しかもCPU負荷が跳ね上がって、操作受け付けてくれない。
しばらくすると正常に戻るので、指でさわると赤線がすいっと描かれる。あれ?指でドラッグできないの?と思いながらペンで描くと、また描けない。んで負荷が跳ね上がって固まる。その繰り返し。

ゲラの朱入れできないやん...。

気を取り直してIllustratorを起ち上げてみると、なんか遅い。試しに描いてみると、まず短いストロークの...たとえば目をちょんと入れた場合に、筆圧がぜんぜん反映されてくれない。というか描けない。んでもって、速いストロークで描いてみると、描画が追いついてこなくて取りこぼし出まくり。
なんだこれと思ってタスクマネージャ開きっぱなしで様子を見ると、ほとんどずっとクロックが1.4GHz前後をうろうろしていて、ひどい時には1GHz切ってたりして、「そりゃ遅いわけだわ」なんてことに。

この状態で無理矢理描いたのが上のイラストなんですけど、こんな単純なちっこい絵を描くだけで、1/3くらいは取りこぼしされて描き直してます。まじめに使い物にならない。ATOM並のクロックに抑えられてるんだからそりゃそうです。

他にも、「無線LANのアンテナにこだわったから他社より速いんです!」とうたわれてるWiFi接続は、よく言われる「スリープからの復帰でつながらなくなって再接続の必要がでる」という現象に加えて、速度の方もあんまし...。試しにインターネット回線でスピードテストしてみたところ、802.11ac接続でリンク速度866Mbpsと出ている状態でも実効20Mbps程度しか出ません。iPhone5Sだと60Mbps、iPadや他のPCもそれ以上の数値が出ます。
試しに802.11n接続に切り替えてみたら、リンク速度が300Mbpsに落ちて、代わりに測定値が80Mbpsを越えるようになりました。なので、802.11nだと速いんだと思いますけど、「802.11nまでしか対応してないCintiq Companion 2とは違うんだぜ!」と期待した気持ちは全面的に敗北となりました。

バッテリーも、「15時間もつ大容量!」って売りだったはずなんですが、今んとこ使いながら様子見てる感じだと、もって6時間かなーってところ。VAIO設定ツール内で選べる省電力設定を「パフォーマンス優先」に変えてあるので、売り文句ほどの時間がもたなくなるのはそりゃ当然なんですけど、それで得られるクロックが先に挙げたIllustratorの1.4GHzとかなのでこれがバッテリを消耗する設定だと言われても...。
ちなみにOSの省電力設定内ではCPUパフォーマンスをいじれないように設定項目が隠されているので、そっちで最低クロックを上限に跳ね上げちゃうってことはできません。

そんな感じで、「爆速モンスターPC」とか言われても、クロックがほとんど2GHzより下にいやがるので、普通に使っててあまり速さを実感することもなく。起動もあんまり速いと思わないし、これなんなんだろ。

不思議と、OneNoteとクリップスタジオペイントとPhotoshopは快適に動くんですよね。クロックもポンポン必要に応じて上がります。
でも自分の仕事に必要なのは、クリペはいいんですけどあとはIllustratorとAcrobatなので...。

という感じでげんなりしてます。
まだ機種が出たばかりのこなれてない段階でレジストリいじったりするのもイヤなので、さてどうしたもんかなーと悩む夜。
素直にCintiq Companion 2に行けば良かったかあ。

20150321.png
昨日もうんうんどうしたものか唸ってたVAIO Zですが、ようやくひとまず使えるレベルになりました。ので、備忘録含めメモしてみたり。

■そもそもの原因
うちの環境ではInstantGoに対応してたことがあらかたの不満の一番大きな点でした。InstantoGoに対応したマシンには以下のような特徴があります。
1)省電力設定では「バランス」しか選べなくなり、CPUの最大最小稼働率が指定できなくなる。
2)画面オフだけさせるような設定はなく、画面オフとスリープがイコールになる。
3)(今のところ)有線LANは非サポート(多分対応してるNICがない)。
4)スリープ中にメールの受信やSkypeの着信、アプリの自動更新などが行える。

これがために、ウチの環境ではほとんどの場合にクロックが0.7GHzや1.4GHzにまで抑制されてしまい、Illustratorではそのクロックがなぜか作業中でも上がってくれないのでまともに作業ができない始末でした。ただ、クリップスタジオペイントなどでも一見普通に作業できると思っていましたが、線の描き始めや途中でペンが迷って一旦停止した時はクロックががくんと下がり、そこからの描き出しになるのでとりこぼしが発生したりと快適ではありませんでした。

一応VAIOの設定ツールでパフォーマンスについては設定できますが、作業をしながらクロック推移を見ていた限りだと、最大クロックの上限を調整しているだけのもので、どちらもできる限りクロックを抑制しようとする傾向は変わりません。

■対応策
上の特徴を見ても、クラムシェルタイプの(ワイヤレスWANへの対応もない)ノートPCにおいてはデメリットしかないと判断したので、下記レジストリの値を書き換えてInstantGoをオフにしました。
[コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power]
→ CsEnabled の値を 1 から 0 に変更

本当であればこの手のカスタマイズはバックアップを取ってからやりたかったので躊躇してたんですが、数日後にこれを持ち出して長期間仕事をする必要に迫られていたので、時間的な余裕もなくいざとなったら後日真っさらに戻せばいいやと決行した次第です。

■その結果
・省電力設定の欄で「高パフォーマンス」が選択できるようになった。
・CPUの最大最小稼働率が指定できないのはそのまま。
・スリープが使えなくなった。休止状態で代用。
・休止状態だと、画面を開いても電源ONにはならず、毎回電源ボタンを押す必要ができた。
・無線LANの出力設定ができるようになった。

「高パフォーマンス」が選択できるようになったことで、特にクリップスタジオペイントにおいては高クロック帯で作業が行えるようになり、デスクトップ環境と遜色ない(タッチ操作が行える点ではそれ以上の)使い心地が得られるようになりました。

休止状態への移行復帰はすごく高速なのでそれ自体にあまりストレスはありません。ただ、このマシンは電源ボタンが小さく固めに作られている(多分スリープ運用が前提なので、誤作動を避けるための措置だと思う)ので、それを毎回操作しないといけないのが面倒です。また、VAIO Zには電源ランプがないので、ボタンを押してもONになったかどうか瞬時に判断できる術がありません。したがって先の固さとあわせて、押せたかどうか判断に迷いがちです。そういう意味でも想定されてない運用なんだろうなという印象を受けます。

無線LANの出力強度を調整できるようになったことで、802.11acの速度改善がなされるかと思いましたが、こちらは変わらずでした。自宅でも仕事場でもNEC社製ルータを使っているので、それとの相性なのだろうなと思います。わざわざルータを買い換えるつもりはないので、少なくとも自分にとってこのマシンの802.11ac対応は今のところ意味がありません。

■各アプリケーションの使い心地
※自分が実際に仕事として使ってみたものに限って記述しています。
※下記はレジストリをいじった結果であるため、この個体独自の現象である可能性があります。

[クリップスタジオペイント] (対応度:○)
タッチ操作において、ピンチインアウトの拡大縮小と回転は遅さを感じますが、パン操作は快適。CPUクロックがほぼ高クロック域に定着して作業できるので、デスクトップ環境並みの快適さで作業できました。
筆圧調整はまだバシッと決まるまでは詰めれていません。いきなり細くなったり太くなったりの差が激しい時があるので、ここは調整中。
NTrig独特の吸着ブレは思いっきり出ます。それについては、「ゆっくり描画する際にはSHIFT切り替えに割り当てた補正大きめのペンで対処するようにすればよい」とアドバイスを受け、それで対応する予定です。

[Adobe Illustrator CC2014] (対応度:△)
描けないことはない速度になりましたが、それでも重く、ペンの追随も鈍いです。総じて快適とは言えません。出先で修正するぐらいなら十分使えるとは思います。
クロックが上がらないのはカスタマイズ前と同様で、それでも高パフォーマンス設定にしたことで常時2.4~2.8GHzあたりは使えるようになりました。その分かなりマシにはなっていて、快適ではないながらもなんとか作業はできそうです。本来の性能ならもうちょっといけるはずなので、もったいない感が強いとともに、本来このあたりのクロックであればもっと軽快なはずという違和感も覚えています。
CC2014で追加された「連結ツール」が時折エラーメッセージを吐いてバグります。
NTrigの吸着ブレはこれでも出ます。スムーズツールで後補正が簡単なので、そこはまあいいんですが、Illustratorの場合はホバーカーソルのあてにならなさが痛いです。ソフトの特性上バウンディングボックスで様々な操作をするんですが、ホバーカーソルがあてにならないため、今どのモードになる位置にペンがあるかもあてにならず、狙い通りの操作がなかなかできません。

[Adobe Acrobat XI] (対応度:×)
ペンで操作を行おうとすると、CPUの負荷が跳ね上がって、アプリケーションが一切の操作をしばらく受け付けなくなります。ペンでの注釈書き込みは一切できません。

[Adobe Bridge] (対応度:×)
上のAcrobat同様、ペンで操作を行おうとすると、CPUの負荷が跳ね上がって、アプリケーションが一切の操作をしばらく受け付けなくなります。スクロールバーを動かそうとしたり、サムネイルを選択したり、ファイルを開こうとダブルクリックしたり、すべてペンによる操作はNGです。

■総括
クリップスタジオペイント専用機としてなら、InstantGoオフの後はすごく快適です。
Adobe社のソフトは、以前スマートスクロールのプラグインを作って遊んでた時に、ウインドウクラス構成がすごく独特で、通常のメッセージ処理だとオブジェクト操作がままならなかった記憶があるので、現行バージョンにおいてもそのあたりで何か相性問題が出ているのかもしれません。
自分にとって主役はVAIO Zではなくそこで動かすソフト達なので、仮にAdobe製ソフト側の問題だったとしても、現状ではVAIO Zに対してあまりよい印象は持てていません。

先のInstantGo対応とあわせて、本マシンに関しては「タブレット然としたライトな操作・オフィス用途」を想定しているのか「いかようにも活用できるハイパワーノートPC」を想定しているのか、その性能・価格帯とあわせてチグハグ感を覚えてしまうというのが正直なところです。
できれば今後、ドライバの改修などでこの印象がガラリと変わるとうれしいですが、少なくとも絵描き用途には最重要ポイントである(と思っている)「CPUの最小稼働率設定」をInstantGo対応のために切り捨てているので、期待したいけど多分想定ターゲット層じゃないんだろうなあとやや悲観的です。
(でも携帯性はこのレベルで描けるマシンとしては素晴らしいのひと言なので、ほんとなんとか改善されて欲しいです。カバンへの収まり具合とか、その剛性感とあわせて超いいっすよ!)

あ、ただ、自分のとこにきた個体だけ、妙に低クロック状態を強制されてるマシンである可能性も残っているので(InstantGo対応のタブレットだとたまにあってBIOS改修が入ったりする)、とりあえず後日店頭のマシンをさわって、動作クロックの遷移を確認したいと思っています。
(ウチのマシンはそういう不良個体の可能性もあるので、話半分で読んどいてくださいね。)

■おまけ
MicrosoftのKB3033889問題はバッチリVAIO Zでも発生するので、タスクバーとかアプリケーションタイトルバーあたりさわってるとたまに10秒くらい固まるんだよねーって人は、ぐぐって対応策調べるのがオススメ。

VAIO Z CanvasについてはLANポートを内蔵しているので、多分InstantGoへの対応は見送ってるはず。なのでここで書いたみたいな懸念はあたらないと思います。

あとなんかあったかなー。
あ、内蔵のメモリカードリーダーは、読み込み上限速度20MBくらいっすよーってくらいかな。ベンチとった。
とりあえずそんなとこです。またなんか思い出したら追記します。

■最後に
自分の環境ではこうだって事例のひとつとして書いてるだけなので、自分としてはこれを読んだ人が、「うちでは正常に動く」「うちでも同様の現象が出ている」と確認する一助として以外の意図はないです(通常の日記と同様に勢いでダーっと書いてたので、言葉が過ぎる部分もあるかとは思いますが)。その結果、自分のとこにもそういう声がとどいて、不良か素性かの判断ができればいいなーと思ってます。
そうして、自分でいじれるだけいじって、それでも「これはもう不良かなー」と行き着いた時には、サポートに持ち込むつもりです。

なので、これをもって「VAIO Zはすべて駄目」とか、ましてや「VAIO Phoneのことといい、VAIO社はすべて駄目」という話に持って行くのは勘弁してください。

VAIO Z 購入者さんは、自分の個体との比較検証に。
VAIO Z 購入検討者さんは、店頭でチェックする項目洗い出しの一助に。
VAIO Z 買う予定のない方はあくまでも話半分で。

本日記をお読みいただけると幸いです。

■追記
Twitterで、「ペン長押しで右クリックの設定を切ってると、一部筆圧対応ソフトで操作時にフリーズすることがある」との情報をいただきました。
さっそく試してみたところ、その設定をONにすると、Adobe Acrobatでのペン注釈、およびAdobe Bridgeの各種操作が、問題なくペンで行えることが確認できました。
でもこの設定ONにしてると絵作業時に問題が出る...。悩ましいです。

20150323.png
自分の中でひとまず「どこまで出来て、何が出来ないか」はハッキリしてきたので、本格的に使うための環境整備をちまちまとやってます。
まずは何を置いても欠かせないのが色調整。標準だと色が鮮やかすぎる気がしたので、他の仕事用ディスプレイ群と同じくガンマ2.2 色温度6500Kでキャリブレート。

使用しているキャリブレーションツールはいい加減古くてWin8.1には対応もしてないかなーと思ったんですが、一応無事動作して、こんな感じに揃ってくれました。

センサーは普段、一眼レフカメラのレンズといっしょに防湿ボックスに入れてはあるものの、さすがにもうかなりの年代物なので多分精度的にはかなり劣化してるはず。でも、これだけ色味が揃ってくれりゃいいや。自分の場合は、最終出力の書籍カバーと色の調子が狂ってなきゃOKなので、そこで違和感が生じない限りはまだまだ大丈夫と割り切ってたりします。

で、細々とアプリケーションの環境データを移行させたり、デスクトップとDropBoxを介して同期取れそうなところはフォルダを移したり。

普段使いが楽ちんなように、ACアダプタは毎回お約束でやってるメガネ端子から先の部分をiPadのUSB-ACアダプタから拝借して付け替えてます。

これだと携帯時にはコンセントの端子部分を折りたたんでおけるので、カバンの中でひっかかったりしなくて便利なんですよね。
携帯時はこんな感じでひとまとめになります。

あと、明日からVAIO Zを持って旅行に出るので、宿でコンセントの口を確保するためのこれまたメガネ端子部にかますあれやこれやを揃えたり。

今回は家族で行くのでUSB端子の口を多めに確保してます。でも、普段1人で出かける時なら、VAIO ZはACアダプタにもUSBの口が1個ついてるし、それプラス2口出力の小さなものがあれば十分足りるはず。

それならだいぶコンパクトになるかなー。

20150324.png
本日よりしばらくの間、ちょっとハワイに行ってきます。
その間は、下記サイトにて絵日記を更新する予定。26日スタートで、そっから平日は毎日更新となります。

『2io1PCと旅する絵日記 in Hawaii』
http://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/travel_with_gadget/

昨年のアメリカ行きと同じく、iPhone用にSIMカード買って現地で使えるようにして、レンタカー借りてiPhoneにナビしてもらってアチコチ走り回って、現地にサラリーマン時代の社長がいるので顔を覗きに行ってみたり、なんか使えないかなーと現地でアメリカの銀行口座作ってみたりとかする予定。
...あれ?ハワイらしさが欠片もない。
ま、まあ、家族が同行しているので、ハワイらしい観光や遊びは、多分そっちからリクエストが来たり指令が下ったりするんではないかと思ったり。

他の人にも使えそうなTipsや現地情報については、帰国してから絵日記とリンクする形で記事としてまとめるつもりでもおりますので、なにか絵日記期間中に「これの話もっと知りたい!」的なネタがありましたら、上記サイト宛てにコメント等お寄せいただけますと幸いです。

ではでは、行ってきまーす。

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