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新しいSurface Proがすごかった

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2日前の23日、Microsoftが上海で行ったイベントで新しいSurface Proを発表しました。言わずと知れた、ペンが使える小型で洒落たデザインのWindowsタブレット機大本命。ただ、個人的にはペン技術がワコムからNTrig採用に変わって以降は、まったく興味も持たなくなってしまっていたシリーズです。

NTrig製ペン技術の抱えている弱点というのは大きく次の3点だと思っていて、
・書き始めを認識するために必要なON荷重が高めなので、軽い筆圧で書いてると取りこぼしが多発する。
・ゆっくり書くと吸着現象が起きて線がガタガタになる。
・カーソルの追随速度が遅い(特にホバーカーソルで顕著)。
どれも自分がやりたい作業には悪影響が出まくるので、「これは合わない」と完全に視界から外してしまっていたんですね。

しかもMicrosoftがNTrigそのものを買収して自社の傘下に取り込んだことから、「以降は絶対ワコム製に戻ることはないだろうし、多分MicrosoftとしてはOffice製品に手書きコメントを書き込む程度の作業を想定しているんだろう」と考えていたわけです。

ワコム以外のペン製品といえばiPad ProとApple Pencilの組合せがまだ記憶に新しくて、「明らかにワコムより良い!」と言える製品をはじめて体感しましたし、今も愛用してます。でも、あくまでもiOSシリーズに閉じた範囲でしかなくて、まだMacで使えるようにはならない。つまり仕事の仕上げデータ作成には使えないまま。

一方ワコムはというと、大型液タブ製品の刷新が先送りにされてるみたいだし、16インチの新型はどうも環境を選ぶ仕様で安定して使えると言い難い感じがあるし、そもそも「Apple Pencilレベルにまで飛躍的に向上した!」と言えるようなアップデートがなされているようには見えません。

なんだか各社一長一短で理想的な構成にはまだしばらくなりそうにない。
そんな閉塞感を正直覚えていたところでした。

そこに今回のSurface Pro
「どうせOffice用途だろ?」と思ってたペンデバイスに、明らかに力が入った大幅アップデート。
しかもワコムやApple Pencilをライバル視したっぽい内容で、「専用のカスタムチップがOSを飛び越えて直接GPUと描画データのやり取りを行う」なんてOSとハードをともに手がけるMicrosoftならではの強みを活かして「入力のタイムラグを抑制、世界最速のペン」とか言っちゃってる。これはすごい。

あんまりすごいから興奮しちゃって、記事を漁っては読みふけってたら、昨年のWinHECの話に辿り着きました。
...>「WinHEC 2016で明かされたAnniversary Updateの概要 - 阿久津良和のWindows Weekly Report

どうせMicrosoftの考えるペン用途なんてOffice用限定だろ?って思い込んでたから見逃してたんですけど、すでにこの段階で「現状のペンは廉価版と位置づけて、ワコムと協業して次世代ペンを開発して2016年第4四半期以降に出す」って書いてあるんですよね。4096レベルにアップさせた筆圧感度と傾き検知のサポートというあたり、今回のSurface Proでお目見えした新Surface Penとまさに一致します。

こりゃおもしろいってんで、さらにその記事からリンクされた資料を読みふけってみたり。
...> http://sec.ch9.ms/slides/winHEC/2_02_WindowsInk.pdf

そこにはさらに詳細が記されていて、ペン描画のためにDirectInkってAPIが新設されていたり、ドライバーレベルでペンの扱いが変わっていたり、ペンのスキャンレートは240Hz(iPad Pro & Apple Pencilと同じ)とか...。

Windows10のCreator Updateって、ほんとにクリエイター向けの改善が含まれてたんだ...。

Surfaceシリーズには、Surface Studioという「ペンが実用レベルだったら魅力的すぎるデスクトップ製品」が存在します。なんでAppleはiMacとApple Pencilでこういう製品を出してくれないの?って思っちゃうような、ほんとグッとくる製品。
これにも今年後半から今回のペン技術に関するフィードバックがかかるみたいという話もあって、一気に先に述べた閉塞感が吹き飛びました。

一昔前、Direct3DというAPIの登場によって、グラフィックアクセラレータごとに乱立していた規格が統一され、Windows環境における3Dゲームが花開いたのはもう懐かしい話。Voodooとかありましたよね。nVidiaが存在感を発揮するようになったのもその頃からでした。

今回OS側がAPIを新しく設けるほど本気でペンをサポートし始めたんだとしたら、そこでも同じような盛り上がりが今後出てきたりして...と期待するわけなんですけど、その行く先を占う上でも新しいSurface Penの出来映えが、とにかく気になって仕方ないのであります。

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2017年5月25日 17:13に投稿されたエントリーのページです。

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