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Galaxy Bookの画面サイズは12インチ。自分が所有するモバイルお絵かきデバイスの中では、もっとも小さい画面となります。
しかし3:2というアスペクト比が効を奏して、縦画面でも横画面でも使いやすい。それに本来であれば13インチと一段上の画面サイズであるはずのCintiq Companionと横画面状態で比較した時に、Galaxy Bookの方が縦サイズが広いため、実はあまり画面が小さいと感じません。当然横幅は狭いんですけど、ちょうどCintiq Companionで左右に表示させているツールパレットを一列分最小化してしまえば、描画に使える面積はほぼ一緒(しかもピクセル数はGalaxy Bookの方が多い)になるのです。
iPad Proの採用する4:3というアスペクト比ほどではないですが、3:2という比率も、製作作業に向いた使いやすい画面比率だと思います。
Galaxy Bookの採用するペンデバイスはワコムのfeel IT テクノロジーのもの。いわゆる「電磁誘導方式(EMR)」とされるもので、ペンに電池が不要であることと反応の良さが特徴です。反面デメリットとして画面の周辺部に近づくほど大きくずれるという欠点を持っていました。特にタブレット製品のような薄型デバイスだと、製品内部のノイズが悪さをするのか、全域で派手にずれまくって画面中央のごく狭い範囲しかまともに使えたもんじゃない...なんてことも珍しくありませんでした。たとえば昔買った富士通のタブレット製品だと、定規を使って画面に格子を描いて見るとこんな案配にゆらゆらと線が曲がって、ノイズの発生源が透けて見えたものでした。
Galaxy Bookで同じように格子を書いてみるとこんな感じになります。
けっこう雑に定規を置き、ペンの角度も一様でない雑な引き方になっています。そのため特に画面下方で線が歪んで見えるところはその影響が大きく出ていて、厳密なテストではありません。どうせ位置調整のあわせ方によっても異なるところだと思うので、だいたいの傾向を見る程度のつもりで見て下さい。
昔のEMR方式採用機にあったような、「描きながらずれていくカーソルを追いかける」といった感じはありません。大きくずれるのは画面4隅。それ以外の画面端は、大きくはずれないけれどもホバーの追随が少し遅れ気味になるという印象です。
ガラス厚と視差はこんな感じ。
上から見た図。
描画した線とペン先の間隔はこんな感じになります。
付属ペンのペン先は0.7mmと細く、柔らかくしなります。画面表面との摩擦感は「ぬめ~」と描ける感じ。ツルツルと滑り過ぎることもなく、カツカツと当たりが固いこともなく、個人的には非常に好感を持ちました。興味のある人はケータイショップに行ってGalaxy Note 8を使って試し書きしてみれば、ほぼ同じ摩擦度合いを確認することができると思います。
ペンの精度、反応、追随速度、いずれもさすがにCintiqレベルには届いていませんが、大きく劣るものでもありません。AES方式のように斜め線がガタガタと揺れることもなく、それでいてカーソルずれの問題もないので画面を広く使うことができ、この本体の携帯性を考えれば上出来といって良い仕上がり。ほぼ不満はありません。
あえて難を挙げるとすれば、ペン軸の形状とボタンの動作仕様でしょうか。
まずペン軸形状ですが、断面が正円ではなく円の上下をスパッと切り落として楕円に近くしたような形状をしています。これが妙に手の中で遊ぶというか収まりが悪い。そしてペン軸埋め込まれたボタンはホバー状態では押しても反応しません。いったんペンの反応外にまで離してから、ボタンを押した状態で再度近づけるという操作が必要です。
Windows標準の操作ではあるんでしょうけど、これがどうにも使いづらい。
このボタンには標準状態では特定のキーストロークや右クリック操作を割り当てたりできないので、Radial Menuというツールを使って(かつSAMUSUNGのサービスを2つ停止させることで)右クリックを割り当てています。ただ、前述の動作仕様のせいで結局使いづらいため、あまり活用はできていません。
このへんの動作はワコムのfeel用ドライバが対応してくれれば一気に化けると思うので、その対応を待ちたいところです。
現状のままだとボタンは使わないので、ペン軸形状の解消を兼ねてSTAEDTLERのNoris digitalペンを買ってみようかなと考えています。
あ、もう一点気になるとこあった。
電源をつなぎながら作業をしてるとめっちゃ熱くなります。特に本体右側が熱くなる。しかも作業が長時間にわたると、そのまま画面全体に熱が広がってきます。
もっとも、ある程度充電できたら電源を外せばいいだけの話なんですけどね。
「この季節にはちょうどいいかー」とも言ってられない熱さなので、ちょっと驚きました。
2018年2月 5日 09:00に投稿されたエントリーのページです。
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